『1、2、3、4、なにくそ畜生! 5、6、7、8、負けてたまるか!』
時々、ピュアなハートが煤けていってしまうように感じるのは何故だろう。
時々、煤けてしまったハートが輝きを取り戻して、ドヤ顔するのは何故だろう。
あの曲を聴いていると・・・
・・・今それが低音の効いた、それなりのスピーカーから流れ出ていても。
耳の奥に残っている安物のラジカセからのあの音、
ひとり異国の屋根裏部屋で、空しか見えない天窓を開け放って、
床に寝転んでカセットテープで聴いていた時のあの音、
その音がリアルに蘇えってくるのは何故だろう。
心や体にしっかりと刻まれている音があるのだ。
その時の自分、その時の空気、その時の悩みや悲しみや喜び、
喜怒哀楽のすべてが、一瞬にしてこの体で括約する不思議。
今、生きていることを実感して、
その瞬間を、今、この見えないノートに記すのだ!
『俺たちが今、自分が立っているのは、そうだぜ、世界のド真ん中さ!』
『涙が出そうだ、だけど泣きたくねぇ! ぶっ倒れそうだ、だけど負けたくねぇ!』
そうだよなぁ!吉野くん!そうだよなぁ!そのとうりだよなぁ!
そっと忘れてほしい
淋しい時は ぼくの好きな
月の光に 泣いてくれ
たとえば 眠れぬ夜は
暗い海辺の窓から
ぼくの名前を 風にのせて
そっと呼んでくれ
たとえば 雨にうたれて
杏の花が散っている
故郷をすてたぼくが 上着の
衿をたてて歩いてる
たとえば マッチをすっては
悲しみをもやす
このぼくの 涙もろい
想いは何だろう
たとえば 死んだら
そっと忘れてほしい
淋しい時は ぼくの好きな
月の光に 泣いてくれ