奈良美智の日々

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ひとり

実際のところ、自分はとても寂しがり屋で、いつも誰かに見て欲しいと思いながら絵を描いている気がする。

ところが、その絵というものに向き合っていると、絵そのものが自分の話を聞いてくれる親友みたいに思えてきて、他に友だちなんて要らないと思ってしまうのだ。

だから、この部屋にひとりいても、絵の中の君と会話して笑い合ったり、泣き合ったりできるから、ひとりじゃないんだな。


・・・あれっ?今日の日付けを見てみたら、いつの間にか、2012年の大晦日じゃないか!


自分以外の誰とも分かり合える事はない、なんて思ってたけれど、自分自身すら他人みたいに思える時もある。

それでも、そんな他人みたいな自分とも、面と向かい合っていたいんだ。

なんてったて、まったくもって不快じゃないんだからね。
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by ynfoil | 2012-12-31 03:12 | 日記 | Comments(0)

2012年末に思う

2012年も、あと3日で終わってしまうなぁ・・・

夏の横浜美術館から始まった個展が青森県美に巡回して、それもあと2週間くらいで終わってしまう。

なんだか、すでに出来てしまったもので成り立っている展覧会の巡回というものは、自分にとって次なるステップへの邪魔になってしまう気もしている。

今現在、世の人に見せているものと、今現在の自分が思い形にしようとしているものとの、微妙なる時間差。

でも、自分にとって(あるいはオーディエンスにとっても)そんなことはどうでもいいことなんだと思う。

とにかく、自分は、思うがままに制作するべき環境を作り出し、自分の意思に沿って制作するのだ。

それが、自ら望むことであり、誰にも関与されない自分の世界への扉を開くことになるのだ。

しかし、今まで自分の作品を世に差し出して見せ、それを買ってもらうことで好きなように生きてこられたのだということは確かだ。

それでも、世の中のアートシーンやマーケットも意識しないで、そうであれたのは幸せだったのだと思う。

これからは、そうはいかない。

いろんなことを自覚してしまったし、世の中のしくみもわかってきた。

本来、芸術家と呼ばれるべき人々はリスクを考えず、採算が合うとか、金銭的にプラスかマイナスかなんてどうでもいいことなのだ。

僕は、これからも、そんな全てにおいては、どうでもいい!と思い、ただただ制作している人でありたい。
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by ynfoil | 2012-12-29 05:55 | 日記 | Comments(0)

2012年 12月20日

夏に横浜市美術館での個展がオープンしてから、ほとんど制作していないなぁ・・・でも、だらだらしていたわけではない。スタジオの整理から始まって、本棚と写真やドローイングの整理をしていた。というか、今もその作業は続行中だ。

スタジオを整理するだけではなく、本棚も新たに増やしたし、今まで自分が載った書籍や作ったグッズの整理もした。そういう作品ではないものたちに対して、ギャラリーはもちろん自分すらも正確に把握はしていない・・・たぶん、naoko.さんが一番正確に把握している気もするけれど、そういうことも自分で管理していかなければいけない気がしているのだ。いつまでも、人に頼っていてはいけない。今、少し不自由に感じていても、出来る限りの掃除をして、すべてが気持ちよく見渡せる空間を作るべし!


さも当然のように毎日を、いつもの店の暖簾をくぐり飲み食いしていてはいけないのだ。自分の存在は、そういうためにあるのではない。

それでも山から吹く風に、埃舞う街は少しは浄化されて、気持ちよい歌声が通りに響き渡るかもしれない。宴会の最中で、鼻とヨダレを垂らしながら気持ちよく酔っ払っていても、それに気づく者は幸いだ。

さて、山の向こうの北の国では、厳しい寒さと吹雪の中、どんな美しいメロディも聴き取るのは難しく、吹きつける風に舞って鉛色の空に吸い込まれていくのだが、愛すべき人々はそのメロディを、ラジオから垂れ流される音のように聴くのではなく、聴こえなくても感じることができるのだ。

錆び付いていく者は、動かなくなっていくこと自体に気づくことはなく、謙虚に笑いながらも自己顕示は忘れずに、関わりのある人々に向けて「僕は此処にいるよ!」と、キーボードを叩くのだろう・・・

僕は、此処にはいない。僕以外のみんなが思っている此処にはいない。誰もが知らない、自分すら知らない此処にいて、空虚に向かって発信する。誰もが知らない空虚に向かって、それを少しでも埋めるのが今生きている自分の役目だと無理にでも思い、僕は部屋を、スタジオを片付けて、どこまでも歩いていけるようにして、筆を取る用意をするのだ。

そして、「がんばる」という言葉を発することが嫌でたまらなかった自分だけれども、今は何度でも自分に向けて言うのだ。

「がんばるべし!」
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by ynfoil | 2012-12-20 23:52 | 日記 | Comments(0)

2012年 12月19日

僕の絵がジャケットになった、あがた森魚さんのニューアルバム『ぐすぺり幼年期』を聴いている午前6時過ぎ・・・あ~もう朝がやって来ている。2012年も、カレンダーを見れば残すところ2週間もないじゃないか~!きゃい~ん!

・・・今年は、なんと言っても久々の美術館個展があって、それは夏の横浜から始まって、今は青森県立美術館で開催されてるのだけれど・・・夏は取材で忙しかったなぁ・・・。たくさんあった取材依頼を両手の指で数えられる程度にした。あの2006年、みんなで作ったA to Z展の時は、自分ひとりの展覧会ではないという意識から、山ほどの取材依頼すべてにニコニコ笑顔で答えたのだけど、今回は自分個人の展覧会なのだし、開催前の取材は全て断った・・・とは言っても、大手テレビ局主催の24時間テレビのTシャツを作ることで、それに関する取材は最小限で受けて、あえて言えば、それが個展の前宣伝にもなったのだろうかと思う。

大手テレビ局に関与することは、基本的には本意ではないのだけれども、そのおかげで、僕を認知する人々は増え、反原発のデモで掲げられている『NO NUKES!』の女の子の絵の作者であるということも知られただろう。それは僕自身が、どうだこうだと言われる以前に、大きくひいたところから見れば良かったのだと自分は思っている。

テレビ局と言えば、制作風景を撮りたいというオファーを断ったためなのかどうかはわからないが、NHKの日曜日の美術番組では一切紹介させてもらえなかった・・・地方に住んでいて、テレビを情報元にしている美術愛好家の方々には申し訳ないと思っている。しかしながら、横浜個展は16万人以上の観覧者を数えて、美術館側にすれば成功だったのだと思う。もちろん、僕自身もそれに対して嬉しくないわけがない・・・嬉しい~!Yeah~!

自分にしてみれば、横浜を経由して、現在開催中の青森県立美術館での展示で、やっと冷静な意識での会場構成が出来た気がしている。そして、同時に十和田市現代美術館で開催されている『青い森の ちいさな ちいさな おうち』展での、過去作品の展示が出来たことも嬉しいのだ。

十和田と言えば、『青い森の ちいさな 美術部』だ。部員を10人募集して、結局は6人を選んで始まった、美術部。初めて会った6人と、2回にわたる合宿と展示作業を通して、僕はやっと部長の意識を持つことが出来た気がする。今現在(来年1月14日まで!)展示されている彼らの作品を観ると、この美術部を企画して本当に良かったと思わざるを得ない。良かった~。

後から続いてくるみんなに、ちょっと先を歩く者として、言いたいことはたくさんある気もするし、それは実際に会ってみて、言葉や会話ではなく、自分の姿勢を見せることで、言葉に代えてみたいとも思う。今回の美術部で、彼らはどんなふうに僕のアドバイスをキャッチしたのだろう。もしかしたら、何にも伝わっていないのかもしれないけれども、僕自身においては、彼らの展覧会に挑む姿勢が充分に明日への活力になったことは確かなのだ。

たくさんの応募者の中から選んだ6人は、これからも見守っていたい6人なのだ・・・と思うのであった。

もっと、言いたいことがある。もっと、厳しく言いたいことがある。もっと持ち上げて、大空に羽ばたかせたいと思ったりする。でもまぁ、それぞれの気持ちしだいだよな。

さてさて、自分はどうかと言えば、小山さんのギャラリーから飛び出して、自分の事務所を立ち上げた。まぁ、インディペンデッドってことだ。作品管理も自分でやるのだ。今のとこ、スタッフはボンコとはまちゃんの2人だけだけれど、にんちゃんも手伝ってくれるだろうし、希望的観測では荒木くんも手伝ってくれんじゃないかなぁ~~~と思っている。

まぁ、どっちにしても、今は5月のニューヨークPACE Galleryでの個展(10 may~29 June)に向けて、絵画作品を描くべし!!!・・・と言ってみても、明後日あたりからの開始だけど・・・
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by ynfoil | 2012-12-19 07:15 | 日記 | Comments(0)